タケキャブ

  • 武田さんの期待の新薬 タケキャブ(ボノプラザン)が2月26日に発売されました。
  • カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB:Potassium-Competitive Acid Blocker)であるタケキャブは、プロトンポンプをカリウムイオン競合的に阻害し、胃酸分泌を抑制します。

武田のピーキャブということで、タケキャブと命名されました。
既存のPPIプロトンポンプ阻害作用は、酸による活性化を必要としましたが、タケキャブは酸による活性化を必要としません。
そのため、速やかに作用を現します。
また、既存のPPIは酸に不安定でしたが、タケキャブは酸に強く、分泌細管に高濃度に集積し、長時間残存して酸分泌を抑制します。
タケプロンは、CYP3A4、CYP2C19で代謝されます。日本人は肝薬物代謝酵素CYP2C19に個人差があり、作用にばらつきがでます。
タケキャブは、主にCYP3A4で代謝されるため、効き方の個人差は少ないといえます。

  • 特に、期待されるのは、ヘリコバクターピロリ菌の除菌です。タケキャブを使用した際の除菌率はタケプロンを使用した場合に比べて高いことが、またクラリスロマイシンに耐性をもつピロリ菌に対しても除菌率が高まることが報告されています。

個体差が少なく、酸分泌抑制効果も高いタケキャブが今後ピロリ菌の除菌においてスタンダードになるかもしれませんね。

  • 今のところ、大きな副作用は報告されていませんが、発売後の未知の副作用には注意が必要です。