2006-01-01から1年間の記事一覧

H18前期スクーリング

平成18年度 診療ガイドライン薬剤コース前期スクーリングが開催されました。 日時 平成18年9月10日(日)10:00〜16:00 場所 長崎県教育文化会館 4F 研修室 会費 ガイドライン受講料 1000円 内容 前期テキスト内容 5教科 (薬剤師研修センター 3単位取得)…

気管支喘息 21 / 慢性肝炎 2

発作治療薬(リリーバー)1)ステロイド薬 ステロイド薬の経静脈的投与と経口投与の一部が発作治療薬であり、急性喘息発作には経静脈的にステロイド薬を短期に大量投与する場合がある。喘息症状の悪化には中〜高用量(プレドニゾロン0.5mg/kg前後)を1…

気管支喘息 20 / 慢性肝炎 1

(d)ロイコトリエン受容体拮抗薬 ロイコトリエン(LT)C4,D4,E4はシスティニルLT(CysLT)と言われ、CysLT受容体にはCysLT1受容体とCysLT2受容体がある。現在のロイコトリエン拮抗薬はCysLT1受容体拮抗薬である。ロイコトリ…

気管支喘息 19 / 呼吸器疾患 10

(c)トロンボキサンA2合成酵素阻害薬・拮抗薬 軽症〜中等症のアトピー型ないし混合喘息に対するトロンボキサンA2阻害薬の有効率は40%前後である。有効性の判定には2〜4週間投与して判定する。高齢者や非アトピー型喘息患者に対してもある程度有効であ…

気管支喘息 18 / 呼吸器疾患 9

(b)ヒスタミンH1受容体拮抗薬 ヒスタミンH1受容体拮抗薬はメディエーター(化学伝達物質)遊離抑制薬と同様に軽症または中等症のアトピー型喘息患者の20〜50%程度に効果がある。個々の患者での効果判定には4〜6週間以上の投与が必要である。フマル酸ケ…

呼吸器疾患 8

A 咳嗽 咳嗽は、洋の東西を問わず、患者が病院を訪れる頻度の最も高い症候の一つである。B 原因 ①発症のメカニズム 気道の炎症により、または外界からの刺激物質の吸入により、迷走神経に含まれる無髄神経であるC-ファイバーの受容体が刺激される、すると…

気管支喘息 17 / 呼吸器疾患 7

抗アレルギー薬Ⅰ型アレルギー反応に関与する化学伝達物質の遊離ならびに作用を調節する全ての薬剤およびTh2サイトカイン阻害薬・メディエーター遊離抑制薬、ヒスタミンH1受容体拮抗薬、トロンボキサンA2合成阻害薬・拮抗薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬…

気管支喘息 16 / 呼吸器疾患 6

アドレナリンβ2受容体刺激薬気道平滑筋を弛緩させて気管支拡張作用と線毛運動のよる気道分泌液の排泄促進作用がある。第1世代 エフェドリン メチエフ アスプール アロテック フェナミン イノリン 第2世代 ベネトリン ブリカニール 第3世代 メプチン スピ…

気管支喘息 15 / 呼吸器疾患 5

2)テオフィリン製剤(キサンチン誘導体)テオフィリン製剤は気管支拡張薬として用いられてきた。作用時間の長い徐放剤が開発され、喘鳴や呼吸困難などの喘息症状の出現を持続的に抑制する目的で、長期管理薬として用いられる。テオフィリンは肝臓で代謝され…

気管支喘息 14 / 呼吸器疾患 4

長期管理薬(コントローラー) 1)副腎皮質ステロイド 主な作用機序 1.炎症細胞の肺・気道内への浸潤を抑制し、かつ炎症細胞自体の遊走および活性化を抑制する。 2.血管透過性の抑制と気道分泌を抑制する。 3.気道過敏性を抑制する。 4.サイトカインの産生を…

気管支喘息 13 / 呼吸器疾患 3

急性発作時 経口ステロイド(プレドニゾロン15〜30mg相当)を内服して救急外来を受診する喘息増悪(発作)家庭での対処 ピークフロー値の自己ベストに対する%に基づき3つのゾーンに分類される β2刺激薬吸入への反応が不良な場合ひな病気やピークフローの…

気管支喘息 12 / 呼吸器疾患 2

喘息の長期管理における重症度対応段階的薬物療法(4段階) 〜症状の改善が見られたら薬剤使用をステップダウンし、一方喘息症状が悪化、または現在の薬剤治療では十分にコントロールできないときには治療をステップアップする ステップⅠ 軽症間欠型 ・症状…

分子標的薬

http://www.ncc.go.jp/jp/ncc-cis/pub/events/030614a.html http://chemstation.livedoor.biz/ ●現在の医療で使用できる分子標的薬剤 (1)ハーセプチン(乳がん):特別な遺伝子(ErbB2)が関係する乳がんを検査で選び抗がん剤(タキソールなど)と併用すれば…

呼吸器疾患 1

①COPDとは COPDとは有毒な粒子やガスの吸入によって生じた肺の炎症反応に基づく進行性の気流制限をていする疾患である。この気流制限には様々な程度の可逆性を認め、発症と経過が緩徐であり、労作性呼吸困難を生じる。②歴史と現状 COPDは、2000年に「慢…

喘息 11 / 統合失調症 16

②治療喘息の治療目標1 健常人と変わらない日常生活が送れること 正常な発育が保たれること(小児の場合) 2 正常に近い肺機能を維持すること ピークフローの変動が予測値の10%以内 ピークフローが予測値の80%以上 3 夜間や早朝の咳や呼吸困難がなく夜間睡…

喘息 10 / 統合失調症 14・15

F 喘息の治療①喘息の自己管理 喘息日記 ピークフロー値(PEF)の測定注意点 ・ピークフローメーターは同じ機種を使用する ・5〜7歳以上 毎日投薬を受けている中等症から重症の喘息の患者 ・朝・夕(起床時・就寝前)1日2回 喘息治療薬の服用・吸入前に…

喘息 9 / 統合失調症 13

E 喘息の診断成人気管支喘息診断のポイント ①本当の気管支喘息か?他の疾患か? ②アトピー素因があるか?原因アレルゲンは? ③重症度は?成人喘息診断の目安1 発作性の呼吸困難、喘鳴、胸苦しさ、咳(夜間、早朝に発現しやすい)の反復 2 可逆性気流制限 一…

喘息 8 / 統合失調症 12

患者指導のポイント成人喘息において喘息死という絶対に避けたい命題がある。そこで、初診時の患者に対しては下記のような指導が重要である。●喘息は慢性疾患であること ●症状がないときでも発作を予防するために治療が必要であること ●薬をきちんと服用する…

喘息 7 / 統合失調症 11

D 喘息の分類① 強度の分類(成人)② 重症度の分類(成人)③ 小児の気管支喘息の分類PEF(Peak expiratory flow):ピークフローメーターによる最大呼気流量 Epo2:パルスオキシメーターによる酸素飽和度 FEV(forced expiratory volume in one secon…

喘息 6 / 統合失調症 10

④ 気道炎症と気道過敏性の関係 1)気道粘膜上皮障害 2)神経系の影響 サブスタンスP、ニューロキニンA、カルシトニン遺伝子関連ペプチドなどの神経ペプチドの放出 3)気道平滑筋の収縮性および表現型の変化 4)気道壁のリモデリング⑤喘息症状の特徴 ・発作…

喘息 5 / 統合失調症 9

③ 気道炎症と気流制限の関係 気道炎症は次の4つの機序により、気流制限を起こす1)気道平滑筋の収縮 即時型喘息反応 病因アレルゲン 外因性刺激:冷気、煙、化学物質、気象変化 内因性刺激:運動、心理的ストレス 短時間作動型β2刺激薬の吸入で回復2)気道…

喘息 4 / 統合失調症 8

C 喘息の病態 ① 病態生理 気道炎症 好酸球、T細胞、肥満細胞数の増加、気道上皮の剥離 気道壁リモデリング 平滑筋の収縮、気道粘膜浮腫、分泌貯留液 気道過敏性の亢進 炎症性メディエーター 炎症カスケード 気道過敏性遺伝子の検索② 気管支喘息の病理 1 …

喘息 3 / 統合失調症 7

B ③喘息の危険因子〔A〕発症に関わる因子 Ⅰ 素因 遺伝的なもの a)アトピー IgE抗体を産生しやすい b)性別 小児喘息は女児よりも男児に多く見られるが、それは男児の方が女児よりも気道緊張度が高いので、種種の刺激に反応して気流制限が強く現れや…

喘息 2 / 統合失調症 6

B 喘息の現状と成因 ① 現在の気管支喘息有病率 日本 乳幼児5.1% 小児6.4% 成人3.0%(ただし、15〜30歳では6.2%) ② 喘息死の現状 喘息により年間約6000人もの人が死亡している(96年)4000人(2000年) 死亡に至る喘息発作の三大誘因は「…

喘息 1 / 統合失調症 5

喘息とは ASTHMA 繰り返し起こる咳、喘鳴、呼吸困難、気道狭窄による気流制限 気流制限の可逆性の低下 気道過敏性 痰 発作の終わりごろに痰が出て、楽になる場合が多い。 <成人喘息>気道の慢性炎症気道構造の変化(リモデリング)気道過敏性の亢進<小…

統合失調症 4

D 診断 診断基準(DSM-4) ■特徴的症状 以下の2つまたはそれ以上 1.妄想 2.幻覚 3.解体した会話(例:頻繁な脱線または減裂) 4.ひどく解体した、または、緊張病変性の行動 5.陰性症状(感情の平板化、思考の貧困、または意欲の欠如) ■社会的または職…

統合失調症 3

C 病態 臨床症状 1) 症状について Ⅰ 前駆症状 ●だるい、頭が重い、眠れない、手足がしびれるなど ●ひとりでに考えが浮かぶ、考えが止まる感じ、雑音が気になる、急に気持ちが不安定になりコントロールできない ●他人に見張られている、みんなが悪口を言っている…

統合失調症 2

B 原因 ① 危険因子 人口動態的特徴として 1)社会階層 2)年齢 3)性差 4)婚姻状態 他の付随因子として 1)出生季節 2)妊娠・出生合併症 3)薬物乱用 4) 遺伝的背景 → 双生児研究 同じ遺伝形質を持つ一卵性双生児では、一方が発病した場合、もう一…

統合失調症 1

A 統合失調症 ① 統合失調症とは 世界的に代表的な精神病で、主に青年期に発病し、特有の症状群で診断される疾患である。発病しやすい素質(脆弱性)と心理社会的な因子の相互作用によって発病する。回復するが再発しやすく、多くは慢性に経過する。経過と転帰…

糖尿病の

食後過血糖改善剤(αグルコシダーゼ阻害剤) 小腸での糖分を、通常よりゆっくりと吸収させることで、食後の高血糖をおさえる作用をもったクスリです。インスリン分泌刺激剤(スルフォニル尿素剤とナテグリニド) 膵臓のインスリン分泌を促進させ、血糖を下げ…