北風の冷たさが身にしみるこれからの季節、一番気をつけたいのが風邪です。代表的な漢方の風邪薬「葛根湯」にふくまれる生薬について調べてみました。

葛根湯

クズ つる性のマメ科多年生草本。全株に細毛を密生。葉は大型の三枚葉を付ける。夏秋に赤紫色の蝶形花を総状花序に付け腋生する。東アジア各地に自生。秋の七草のひとつ。
[貯蔵根]カッコン 肥大した根のコルク皮をはいで、日干しにしたもの。発汗、解熱、鎮痙作用がある。

ナツメ クロウメモドキ科の落葉高木。高さ10mに達する。葉は互生し短柄がある。果期9〜10月。核果は長だ円球形、表面滑らかで、紅褐色に熟す。中国東北部の南部地域〜華北に自生する。中国ではでは、古くからモモ、クリ、アンズ、スモモ、ナツメを五果といって珍重した。日本には、奈良時代に渡来し栽植、ときに野生化。
[果実]タイソウ 「神農本草経」には「脾胃を益し、百薬の毒を和ませる効あり」と記されている。緩和、強壮作用を持つ。

マオウ 常緑低木。高さ30〜70cm。木質茎より緑色の草質茎を叢生。節が多い。雌雄異株。花期は夏。中国北部、モンゴルに自生。日本に自生はしない。
[地上茎]マオウ 成分エフェドリン。鎮咳、去痰作用。他に、発汗、解熱、気管支痙攣の解除、利尿、血圧上昇、抗ウイルス作用が解明されているが、説明のつかない薬能も多い。

カンゾウ マメ科の多年生草本。高さ1〜3mで茎の下部は木質化する。蝶形花は淡紫色、豆果は巻曲して剛毛がある。シベリア、モンゴル、中国東北部に自生する。
[根及び根茎]カンゾウ 主成分グリチルリチン。解毒、鎮咳、去痰、粘滑、緩和、嬌味、賦形剤