尿疾患と尿検査

正常な尿のpH:5.0〜6.0
アルカリ側 生体がアルカリに傾いたとき、野菜を多く摂取する人
尿路の細菌感染症 尿中の尿素アンモニア
             細菌
尿蛋白 (+)健常人 起立性蛋白尿:立ち上がるときに+
          激しい運動の後
1日150mg以上の場合 病的蛋白尿
糸球体の蛋白透過性が亢進
尿細管 蛋白の再吸収が障害
骨髄腫 異常蛋白の産生→糸球体からろ過 尿蛋白(+)
薬剤による尿蛋白陽性
 分析法 尿中蛋白の定性試験 pH指示薬が蛋白と結合すると色調が変化するのを利用
極端な酸性やアルカリ尿では、偽陰性偽陽性
チトクロムC 偽陽性
リボフラビントリプタノール 偽陰性
服用薬 抗生物質、利尿薬、解熱鎮痛薬の副作用で腎障害が発生→尿蛋白(+)
蛋白尿の分類
1. 生理的蛋白尿
・ 正常蛋白尿
・ 運動性蛋白尿
・ その他
2. 体位性蛋白尿
・ 起立性蛋白尿
3. 病的蛋白尿
・ 糸球体性蛋白尿:ネフローゼ症候群、糸球体腎炎など
・ 尿細管性蛋白尿:ファンコニー症候群、尿細管壊死、カドミウム中毒など
・ 腎前性蛋白尿:多発性骨髄腫、異蛋白血症、火傷、不適合輸血、オグビン尿症など
・ 腎後性蛋白尿:尿路系疾患


蛋白尿の原因となる薬剤
A.抗生剤
アミグリコシド系抗生剤
ペニシリン系抗生剤
・ セファロスポリン系抗生剤
・ サルファ剤
・ テトラサイクリン
B.利尿剤
・ サイアザイド系利尿剤
C.解熱鎮痛剤
フェナセチン
サリチル酸
D.その他
・ 砒素
マイトマイシンC
尿沈渣の主な細胞成分
赤血球
白血球
扁平上皮
尿細管上皮
硝子円柱
赤血球円柱
白血球円柱
上皮円柱
ロウ様円柱
円柱 尿細管で作られる鋳型 種々の物質がTamm-Horsfallムコ蛋白を基質として固まったもの 糸球体・尿細管に病変がある場合に出現
赤血球円柱:糸球体や尿細管での出血 糸球体腎炎・腎梗塞
白血球円柱:腎盂腎炎・ループス腎炎
卵円形脂肪体:ネフローゼ症候群
封入体細胞:ウイルス感染症
急性糸球体腎炎:主にA群β溶血連鎖球菌感染後に約2週間の潜伏期をおいて、血尿、乏尿、浮腫、高血圧などの腎障害をきたす疾患。 溶連菌感染により生体の防御機構として産生された抗体が菌体(抗原)と抗体・抗原複合体を形成して流血中を循環。 この抗体・抗原複合体が腎糸球体の基底膜に沈着し、補体系の活性化などにより炎症を起こす。(?型アレルギー)
浮腫:皮下組織に組織液が貯留した状態 腎臓障害・心臓障害による
腎炎の際の浮腫:GFRの低下と糸球体尿細管不均衡のために、ナトリウムと水が貯留し、血管透過性が亢進するため GFRの低下→乏尿、腎臓の血流量を増やすことで代償→血圧上昇
腎疾患での浮腫:眼瞼周囲に発症
心疾患:立っている人では下肢、寝ている人では背面
溶連菌感染症の検査:ASO(antistreptolysin O:抗ストレプトリジンO)
          ASK(antistreptokinase:抗ストレプトキナーゼ)などの溶連菌毒素に対する抗体の検査
他の溶連菌感染症:しょう紅熱、リウマチ熱
ASO,ASK 抗体なので感染後すぐに血中に上昇するわけではなく、1〜2週間後から上昇して半年ほどは高値になる。
C3,C4,CH50 抗原・抗体複合体に補体が作用して消費されるため、補体量、補体価が低下 
腎生検 炎症所見
免疫複合体の検出
補体:免疫反応を補助する物質。生体に侵入した抗原に対して生体は抗体を産生して抗原を処理。抗原・抗体複合体は直接貪食細胞に貪食されるが、このときに補体が結合すると貪食されやすくなる。(オプソニン化)
細菌などの細胞性成分に抗体が結合すると補体系が活性化されて細胞膜を障害して細胞溶解が起こる。
好中球や単球/マクロファージなどの走化性を高める
肥満細胞や好塩基球に働いて炎症性反応に関与
急性糸球体腎炎:リンパ球の発達した3〜10才の小児で、性別では男児、季節では秋・冬に多い。小児に多い病気。