気管支喘息 12 / 呼吸器疾患 2

喘息の長期管理における重症度対応段階的薬物療法(4段階)
 〜症状の改善が見られたら薬剤使用をステップダウンし、一方喘息症状が悪化、または現在の薬剤治療では十分にコントロールできないときには治療をステップアップする


ステップⅠ 軽症間欠型
 ・症状が週1回未満
 ・症状は軽度で軽い
 ・夜間症状は月に1〜2回

 PEF 80%以上

 ○喘息症状がやや多いとき いずれか一つを考慮
  ・吸入ステロイド薬(最低用量)
  ・テオフィリン徐放製剤
  ・ロイコトリエン拮抗薬
  ・抗アレルギー薬
  (発作時)短時間作用性吸入β2刺激薬
      または短時間作用性経口β2刺激薬、短時間作用性テオフィリン製剤


ステップ2 軽症持続型
 ・症状は週1回以上、しかし毎日ではない
 ・日常生活や睡眠が妨げられることがある:月1回以上
 ・夜間症状が月2回以上

 PEF 80%以上

 ●吸入ステロイド薬(低用量)連用
 ●下記のいずれか連用、もしくは併用
  ・テオフィリン徐放製剤
  ・ロイコトリエン拮抗薬
  ・DSCG(インタール}
 ●夜間症状、持続する気道閉塞に吸入ステロイド薬と併用して
  ・長時間作用性β2刺激薬(吸入/貼付/経口)
 ●アトピー型喘息 上記薬剤のいずれかと併用して
  ・抗アレルギー薬
 (発作時)短時間作用性吸入β2刺激薬、その他


ステップ3 中等症持続型
 ・症状が毎日ある
 ・短時間作用性吸入β2刺激薬 頓用がほとんど毎日必要
 ・日常生活や睡眠が妨げられることがある:週1回以上
 ・夜間症状が週1回以上

 PEF 60〜80%

 ●吸入ステロイド薬(中用量)連用
 ●下記のいずれか連用、あるいは複数を吸入ステロイド薬と併用
  ・テオフィリン徐放製剤
  ・長時間作用性β2刺激薬(吸入/貼付/経口)
  ・ロイコトリエン拮抗薬
 ○Th2サイトカイン阻害薬併用考慮
 (発作時)短時間作用性吸入β2刺激薬、その他


ステップ4 重症持続型
 ・治療下でもしばしば憎悪
 ・症状が毎日
 ・日常生活に制限
 ・しばしば夜間症状

 PEF 60%未満

 ●吸入ステロイド薬(高用量)連用
 ●下記の複数を吸入ステロイド薬と併用
  ・テオフィリン徐放製剤
  ・長時間作用性β2刺激薬(吸入/貼付/経口)
  ・ロイコトリエン拮抗薬
 ○Th2サイトカイン阻害薬併用考慮
 ●上記でコントロール不良の場合
  ・経口ステロイド薬を追加
 (発作時)短時間作用性吸入β2刺激薬、その他


呼吸器疾患 2

B 原因
①外因性危険因子
 喫煙、大気汚染、職業上で吸入する粉塵や化学物質(蒸気、刺激性物質、煙)、受動喫煙、呼吸器感染、社会経済状況、アルコールなど
②内因性危険因子
 α1-アンチトリプシン(α1-AT)欠損症
 エポキシド加水分解酵素
 マトリックス・メタロプロテアーゼ
 炎症性サイトカインなど