食べて防ぎ、食べて治す −食生活と生活習慣病−

食べ過ぎていませんか?特に動物性脂肪はどうですか?
塩分は、取りすぎていませんか?
甘いものやアルコール飲料は?
野菜不足になっていませんか?

太り過ぎない
塩分を減らす。
動物性脂肪を減らす。
食物繊維をしっかりとる。

肥満
過食を避け、摂取エネルギーを少なくする。
脂肪や糖質は控えめに
食事は1日3食、規則正しい時間に取る。
朝、昼食をしっかり取り、夕食を控えめにする。
ひと口ひと口ゆっくり食べる。

高血圧
高血圧は、遺伝的な素因に加え、塩分の取りすぎ、肥満、ストレスなどが誘引となって、起こると考えられています。高血圧のまま放置していると、血管障害が進行し、動脈硬化も助長され、脳卒中や虚血性心疾患、下肢の閉塞性動脈硬化、腎臓病などになりやすくなります。
運動、食事、薬物療法で血圧のコントロールが必要です。
塩分の摂取量を1日7g以下に減らす。
カリウムやカルシウム、食物繊維を十分に取る。
香辛料などを使い、酸味でおいしく食べられる工夫をする。
摂取エネルギーを少なめにする。

糖尿病
膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きが不十分なために、血液中のブドウ糖がうまく処理できなくなり、血糖値が高くなる病気です。血糖値のコントロールが悪いと、糖代謝だけでなく、脂肪代謝たんぱく質代謝も悪くなり、糖尿病性網膜症、腎症、神経障害、動脈硬化など様々な合併症を引き起こします。糖尿病の多くは、遺伝的素因に加え、食べ過ぎ、運動不足、ストレスなどの生活習慣が誘引となって起こります。
糖尿病食品交換表を活用して、適正なエネルギー量と栄養バランスの良い食事をする。
ビタミン、ミネラル、食物繊維も十分に
1日2食のドカ食いをやめ、決まった時間に3食取る。

高脂血症
血液中のコレステロール、あるいは中世脂肪値が正常値を越えて高くなる病気です。血中のコレステロールの中には動脈硬化を進展させるLDLコレステロール(悪玉コレステロール)と動脈硬化を防ぐHDLコレステロール(善玉コレステロール)があります。血中コレステロールが高いときは、主としてLDLコレステロールは高くなっています。高脂血症になると、動脈硬化が進み、脳卒中や虚血性心疾患を起こしやすくなります。食事、運動、薬物療法コレステロール値や中性脂肪値をコントロールする必要があります。
摂取エネルギーは少なめに
動物性脂肪を取り過ぎない
コレステロールの多い食品も控えめに
いわしなどEPAに富む青身魚を食べる
野菜を十分に取る

心臓病(虚血性心疾患)
心臓に栄養と酸素を供給する冠状動脈にコレステロールなどが沈着して、動脈硬化を起こすと、血管の内部が狭くなって、血液の流れが悪くなります。また、狭い血管では、血栓によって血管が詰まり、血液が途絶えて心臓の筋肉(心筋)細胞が壊死することがあります。その結果、狭心症になったり、心筋梗塞になったりします。肥満、高血圧、喫煙が発症の誘引になります。
エネルギーを取り過ぎない
動物性脂肪は控えめに
塩分やコレステロールの多い食品も控えめに
イワシなどEPAに富む青身魚を食べる
β-カロチン、ビタミンC、Eを多く含む野菜、果物を十分にとる。

脳卒中
脳卒中には、脳出血クモ膜下出血脳梗塞、脳血栓などの疾患がありますが、日本では近年、脳梗塞の比率が高くなっています。脳梗塞は、脳の動脈にコレステロールなどが沈着して動脈硬化を起こし、そのために血流が悪くなり、血液が途絶えて、脳細胞が壊死するために起こります。肥満、高血圧、高脂血症などが発症の引き金となります。
減塩食にする
動物性脂肪、コレステロールの多い食品は控えめに
イワシなどEPAに富む青身魚を食べる
大豆食品などからたんぱく質をしっかり摂取する
β-カロチン、ビタミンC,Eを多く含む野菜、果物などを十分に取る。

がん
近年、ガン(悪性新生物)による脂肪は減少傾向にあるとはいえ、依然として日本人の死因の第1位はガンが占めています。がんも、喫煙と肺がん、脂肪の取りすぎ、食物繊維の摂取不足と大腸がんなど、生活習慣と密接な関係を持つものがあります。
偏食を避け、多種類の食品をバランスよく食べる
食べすぎを避け、脂肪摂取は控えめに
焼け焦げたもの、カビの生えたものは避ける
熱い食べ物や塩辛いものも控えめに
β-カロチン、ビタミンC,Eを多く含む野菜や果物をしっかり取る
食物繊維も十分に取る

鉄欠乏性貧血
魚や肉に含まれる鉄分のほうが野菜に含まれるものより吸収されやすい。
魚や肉に含まれる赤血球のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビン鉄の吸収効率は15〜20%で、野菜や乳製品などの2〜5%と比べて良好。動物性食品の方が効率的に鉄分を吸収でき、魚や肉などが嫌いな人や若い女性でダイエットすると鉄欠乏になりやすい。
鉄を多く含む主な食品
食品名 含有量(mg/100g)
肝臓(鶏、牛) 4.0〜9.0
鮎(内臓) 8.0
鶏卵(卵黄) 4.6
煮干 18.0
ひじき 55.0
しじみ 10.0
大根 9.5
ごま 9.6〜9.9
ほうれん草 3.7