喘息 5 / 統合失調症 9

③ 気道炎症と気流制限の関係
気道炎症は次の4つの機序により、気流制限を起こす

1)気道平滑筋の収縮
 即時型喘息反応
 病因アレルゲン 外因性刺激:冷気、煙、化学物質、気象変化
        内因性刺激:運動、心理的ストレス
 短時間作動型β2刺激薬の吸入で回復

2)気道壁の腫脹
 炎症細胞から放出されるメディエーター(ロイコトリエン、ブラジキニン、トロンボキサンA2、プロスタグランジン、ヒスタミン、PAFなど)→ 微小血管透過性 亢進
 ステロイド薬、抗ロイコトリエン薬 有効

3)気道分泌亢進
 杯細胞と粘膜下腺細胞の過形成、過分泌

4)気道壁のリモデリング
 気道粘膜の繊維化、平滑筋肥厚、粘膜下腺細胞の過形成 → 半ば永久的な気道壁の肥厚
 吸入ステロイド薬療法により1〜2年後に部分的に回復することはある


  統合失調症 9

2)ブチロフェノン系 定型抗精神病薬

 ハロペリドールセレネース
 ブロムペリドール(インプロメン
   
・高齢者では、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(錐体外路症状等の副作用が現れやすい)
・妊婦・授乳婦 × (催奇形性)
・小児には慎重に投与すること

●主な作用機序
 中脳から大脳辺縁系あるいは大脳皮質に投射するドパミン神経終末にあるドパミンD2受容体を選択的に遮断する。選択的なドパミンD2受容体遮断作用があり、錐体外路症状が強く現れる。他にアドレナリンα1受容体、アセチルコリンムスカリン)受容体の遮断作用(拮抗作用)はあるが弱い。

●禁忌
 昏睡状態の患者(昏睡状態の悪化)
 バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者(中枢神経抑制作用の増強)
 重症の心不全患者(心筋に対する障害作用や血圧低下)
 本剤の成分またはブチロフェノン系化合物に対し過敏症のある患者
 エピネフリンを投与中の患者
 妊婦
 テルフェナジンまたはアステミゾールを投与中の患者(QT延長、心室不整脈

●副作用
 重大/悪性症候群心室頻拍(Tdp:Torsades de Pointesを含む)、麻痺性イレウス、遅発性ジスキネジア、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、無顆粒球症(初期症状として発熱、咽頭痛、全身倦怠感など)、横紋筋融解症などがある。
 その他/血圧低下、頻脈、肝障害、眼調節障害、口渇、不眠、錐体外路症状、胃腸障害、血圧上昇低下などがある。