呼吸器疾患 8

A 咳嗽
咳嗽は、洋の東西を問わず、患者が病院を訪れる頻度の最も高い症候の一つである。

B 原因
①発症のメカニズム
気道の炎症により、または外界からの刺激物質の吸入により、迷走神経に含まれる無髄神経であるC-ファイバーの受容体が刺激される、するとC-ファイバーの近傍の神経線維から神経ペプチドと呼ばれる神経伝達物質が放出される。(軸索反射)
神経ペプチドはタキキニンやカルシトニン-ジーン関連ペプチド(CGRP)を含んでいるが、中でもサブスタンスP(SP)が最も主要な働きをもっている。
SPがC-ファイバーから放出されて、気道上皮にSPが増えると迷走神経の有髄神経の伝導に結びつく咳受容体が刺激されて、延髄に存在する咳中枢を刺激する。咳受容体は咽頭、中枢部と末梢部気道と広く分布してほとんどの呼吸器疾患で咳がでる。(感覚神経系)

女性ホルモン C-ファイバーからのSPの放出を抑制 → ACE阻害剤服用している閉経後の女性では10〜30%に咳として副作用が出る。咳の副作用発現は、女性が男性の3倍多い。