気管支喘息 18 / 呼吸器疾患 9

(b)ヒスタミンH1受容体拮抗薬
ヒスタミンH1受容体拮抗薬はメディエーター(化学伝達物質)遊離抑制薬と同様に軽症または中等症のアトピー型喘息患者の20〜50%程度に効果がある。個々の患者での効果判定には4〜6週間以上の投与が必要である。

フマル酸ケトチフェン(ザジテン)
塩酸アゼラスチン(アゼプチン)
オキサトミド(セルテクト)
メキタジン(ゼスラン、ニポラジン)
塩酸フェキソフェナジン(アレグラ)
フマル酸エメダスチン(レン、レミカット)
塩酸エピナスチン(アレジオン)
エバスチン(エバステル
塩酸セチリジン(ジルテック
ベシル酸ベポスタチン(タリオン)
塩酸オロパタジン(アレロック
ロタラジン(クラリチン

●主な作用機序
ヒスタミン受容体にはH1,H2、H3の3種類が知られているが、ここで用いられているヒスタミンH1受容体拮抗薬はヒスタミンの第三膜貫通領域のアスパラギン酸残基と結合することにより、ヒスタミンが受容体に結合するのを阻害する。
・予防薬であり、発作抑制などの急性効果は期待できない。
薬剤により適応が異なるので注意が必要である。

●副作用
眠気、倦怠感、発疹、口渇、肝機能障害、痙攣、ショック、アナフィラキシー症状などがある。
・オキサトミドによる小児の錐体外路系障害に注意する。
・塩酸アゼラスチンの味覚障害(苦味)は特徴的である。
・メキタジンは緑内障、尿路閉塞性疾患には禁忌である。


呼吸器疾患 9

②咳嗽と咳反射

咳反射が低下する原因:脳血管障害、ADLの低下、抗精神薬投与によるドーパミン受容体の抑制、睡眠中の咳反射の低下、ビタミンB12と葉酸欠乏による脳神経伝達障害よる咳反射の低下など

咳反射を亢進させる対策:ACE阻害薬、ドーパミン製剤、脳血管障害を予防するため降圧薬に加えて抗血小板薬(シロスタゾール、アスピリン製剤、ワーファリンなど)ビタミンB12,葉酸を症状により処方する。

③不顕性誤嚥を起こし、肺炎に至るため咳を促進させる薬剤を投与することがある。(SPの低下による嚥下反射の低下)