「きみの友だち」重松 清

「わたしは、一緒にいなくても寂しくない相手のこと、友だちって思うけど」
空を見上げて、言った。

本当の友だち そばにいなくても、ずっとずっと支えてくれる。
心は、気持ちは、ずっとそばにいてくれる。

空の上からもこもこ雲になって、ずっと見守っていてくれる。

一緒にいたときの思い出が、本当に大切で、かけがえのないものだから。

恵美ちゃんと由香ちゃんには、時間が限られてることはわかっていたから、
何気なく流れていってしまう出来事さえも
ひとつひとつ大切な思い出として積み重ねていった。

思い出に支えられて、明日への道を
今日の一歩を歩んでいけるように。

一生忘れないようにたくさんの思い出を作っていく。

だから、みんなに付き合っている暇なんてなくて
自分と大切な人がどうしたいか、どうなりたいか
大切なものを守ることに力を入れたらいい。

ブンとモトは、互いに認め合うことと
自分を見つめ直すことのバランスがうまくできた。
自分を見つめ直すときも相手って大切なんだ。

これからも大切な思い出をどれだけの数作っていけるだろうか。

きみの友だち (新潮文庫)

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